子どものやらかし、個人賠償責任特約でどこまで補償される?

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幼い子どもは予想外のことをします。

友だちの家で物を壊したり、お店の商品をダメにしたり、自転車で人にぶつかったり。

そして困るのが、「これって弁償しないといけないの?」という場面です。

そんな時に役立つのが、火災保険や自動車保険などに付帯できる「個人賠償責任特約」。

ただし、何でも補償されるわけではありません。

今回は、子どもによくある「やらかし」を例に、個人賠償責任特約で補償されるのかを見ていきましょう。


やらかし① 友だちの家の壺を割ってしまった

◎ 全額補償(対象内)

他人の家(敷地内)の財物を壊した場合も、個人賠償責任保険の典型的な補償範囲。

壺に限らず、テレビやパソコン、ゲーム機などを壊してしまった場合も、法律上の賠償責任を負えば補償対象になります。


やらかし② 他人のスマホを落として壊した

◎ 全額補償(対象内)

  • テーブルに置かれた他人のスマホを触って落として液晶画面に亀裂
  • 友だちのスマホを見せてもらっている時に落として画面を破損

最近のスマホは高額なので、思った以上の出費になることもあります。
賠償責任が発生すれば補償対象になります。
借りたものであっても、「保管物(受託物)賠償責任特約」を付けていればOKです。

※最近では、大手損保(東京海上日動や三井住友海上など)が個人賠償責任保険において「スマートフォン・携帯電話・PC等は免責(対象外)」とする改定を相次いで行っていますので要注意。


やらかし③ 他人の車にひっかき傷を付けてしまった

◎ 全額補償(対象内)

遊んでいてオモチャをぶつけた、自転車で擦ったなど、過失(不注意)によるものであれば補償対象になります。

小さな傷でも修理代が高額になることは珍しくありません。
特に最近の車はセンサーや特殊塗装が使われているため、想像以上の高額請求になることがあります。


やらかし④ 美術館で展示物を倒して破壊した

◎ 全額補償(対象内)

子どもが暴れていたり、接触禁止の展示物を叩いているのを見ても放置していた、などの「重過失」がある場合を除き、「大人が想定できない突発的な行動」であれば補償対象になります。

展示品や美術品は高額なものも多く、想像以上に修復費や賠償額が高くつくこともあります。


やらかし⑤ 店で高額商品を開封してしまった

△ 条件つきで補償(ケースバイケース)

開封によって「商品の価値がゼロになった(売り物にならなくなった)」場合は、賠償責任が認められ、補償対象になります。

ただし、単にシールを剥がしただけで再包装すれば売れるようなレベルでは、対象外になることも。


やらかし⑥ 店で高額商品のタグを切ってしまった

△ 条件つきで補償(ケースバイケース)

数百円~数千円程度の商品で、店側でタグの付け直しが容易な場合は、補償対象にはなりません。

しかし、高級ブランド品やシリアルナンバー入りの限定品などは、タグが価値の証明になっているケースがあります。
この場合、タグが切れた時点で「二度と新品として売れない(=価値がゼロになった)」とみなされるので、補償対象になる可能性が高いでしょう。

保険金の支払われ方は以下の2パターン。

  • 保険金で全額(時価)が支払らわれ、商品は保険会社が引き取る
  • 商品を契約者が引き取る代わりに、「新品価格」から「タグが切れた状態(中古)の市場価値」を差し引いた差額(減価分)を支払う

最終的には、「そのお店がメーカーにタグを付け直してもらえる環境にあるか」と「保険会社が下す価値損耗(減価分)の査定」の話し合いで決まります。


やらかし⑦ 飲食店のタブレットをいたずらして大量注文した

✕ 補償対象外(自己負担)

注文を入れた時点で「飲食物提供契約」が成立しているので、客(保険契約者)側は、飲食代を払う義務があります。
これを拒否したら、食べても食べなくても、無銭飲食で逮捕されてしまいます。

そうなると、飲食代を支払われる以上、店側には、経済的な損害は1ミリも発生しないことになります。

客(保険契約者)側も、無駄な出費をしてしまっただけ。
大量に出された料理を食べるか残すかは、客の自由。
店側はノーダメージ。

そこには、「賠償責任」云々が入り込む余地はありません。

もっとも、全ての料理を作り終える前に、途中で気づくはずですが…。


やらかし⑧ 友だちに借りたオモチャを無くした

✕ 補償対象外(自己負担)

「個人賠償責任特約」では、一般的に「借りている物」「預かっている物」の紛失や盗難、破損は補償対象外です。

借り物が対象になる「受託物担保特約」を付けていたとしても、補償対象は「損壊」のみ。
「紛失」は対象外なのです。

そのため、友だちから借りたオモチャやゲーム機を無くした場合は、補償の対象外となってしまいます。


やらかし⑨ 遊んでいて友だちにケガをさせた

◎ 全額補償(対象内)

鬼ごっこやボール遊びなどで相手にケガをさせてしまった場合、治療費などの賠償責任が発生すれば補償対象になります。

ケンカや小競り合いでのケガも同様です。
わざとケガさせたとしても、未熟な子ども(責任能力のない年齢=おおむね12歳未満)の行動は、「ただの不注意(過失)」と判断されるからです。


やらかし⑩ 自転車で歩行者にぶつかってケガをさせた

◎ 全額補償(対象内)

「個人賠償責任特約」の必要性が語られる最大の理由が、この自転車事故です。

歩行者に大ケガを負わせてしまった場合、高額賠償になるケースがあります(過去に約9,500万円の賠償命令が下された事例あり)。

「子どもの事故だから大したことはない」とは言えません。
「個人賠償責任特約」では、契約内容により異なりますが、一般的には「1事故につき1億円〜無制限」まで賠償してくれます。

万が一に備えるなら、最も意識しておきたい事故のひとつです。


子どもの事故は、ある日突然やってくる

今回紹介したように、「個人賠償責任特約」で補償される子どものやらかし事例は意外と多くあります。

一方で、借りた物など補償されないケースも。

だからこそ大切なのは、「加入しているか」だけでなく、「どこまで補償されるか」を確認しておくことです。

「個人賠償責任特約」が付いているのは、主に、火災保険か自動車保険。
子どもがいる家庭なら、一度は補償内容をチェックしておくことをオススメします。


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