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自動車保険において、「等級」というのは過去の事故・運転歴に応じて適用される保険料の割引・割増のランク(1〜20等級)のこと。
つまり、事故を起こさずな長く運転している=保険申請が少ない優秀なお客なので、保険料が安くなる仕組みです。
今回は、この等級について、素朴な疑問にQ&A形式的に解説したいと思います。
まずは、等級の基礎知識(おさらい)
ランクは1~20等級まで。
ゼロ以下の等級はないので、最低は1等級
スタート等級は6。
自動車保険に初めて加入した場合の等級です。
ランクアップ
1年間無事故で過ごすと、翌年の契約で1等級上がります。
上がるのは年1等級のみで、年に2等級以上も上がることはありません。
ランクダウン
事故を起こして保険を使用すると、規模や内容に応じて1~3等級下がります。
1回の事故で下がるのは最大3等級まで。
ただし、回数制限はないので、再度事故を起こして保険を使えばさらに等級は下がります。
ありえないことではありますが、20等級の人が、年間で等級3に該当する事故を7回起こした場合、
20等級 - (3等級 × 7回) = -1等級
になります。
等級の下限は1等級なので、マイナスにはなりません。
まあ、実際にこんな人がいたら、ヤバい運転手だということで、7回に達する前に「契約解除」や「引受拒絶」になる可能性が高いでしょう。
等級に関する素朴な疑問
等級1って、どれくらい保険料が上がるの?
保険会社によっても違いますが、最低等級(1等級)の保険料は、6等級(新規加入時のスタート)に比べて、60%〜80%近く割増になります。
20等級との差ともなると、もはや天と地ほどの差。
年間保険料が 10万円 の条件だった場合、その差は下の表のような具合です。
| 等級 | 年間保険料 | 保険料の扱い |
|---|---|---|
| 20等級(最高) | 約 3.7万円 | 63% 割引(支払うのは元の37%だけ) |
| 6等級(新規) | 約 8.1万円 | 19% 割引(支払うのは元の81%) |
| 1等級(最低) | 約 16.4万円 | 64% 割増(支払うのは元の164%) |
最低等級なら、保険金を請求し放題になる?
最低等級(1級)の人は、もはやどんなに事故を起こして保険金を請求しても、それ以上に下がりようがありません。
となると、開き直って、保険金を請求し放題になるのでしょうか?
実はそんな「裏ワザ」のような甘い抜け道は存在しません。
理由は、等級制度とはまったく別の「2つの強力なペナルティ(壁)」が発動するからです。
- 保険会社から「強制解約」または「更新拒否」される
- 日本中の保険会社から拒否され「無保険」になる
まず、1等級になっても、さらに保険金を申請してくるようなハイリスク契約者は、100%の確率で満期での更新拒否が待っています。
悪質だと判断された場合、契約途中での強制解約されることもあります。
「今の保険会社に拒否されても、別の会社に乗り換えればいい」という抜け道は存在しません。
日本国内のすべての損害保険会社は、契約者の「過去の事故歴」「現在の等級」「保険金の請求履歴」のデータをリアルタイムで共有しています。
そのため、1等級でさらに事故を連発して保険会社を追い出された人は、必ず審査落ちになります。
いわゆる「ブラックリスト」に載った、という状態になるわけです。
親族から等級を引き継いだら、等級1も解消できる?
親の等級を引き継いで、良い等級になると聞いたことがあるでしょう。
それで1等級から脱出できるのでは?と思った人もいるかもしれません。
結論から言うと、
親族から等級を引き継ぐ(譲り受ける)ことで、ご自身の「1等級」を解消することは絶対にできません。
自動車保険には、この「抜け道」を防ぐ厳格なルールがあるためです。
自動車保険では、
- 20~6等級:普通・優良ドライバー
- 6等級未満(1~5等級):ペナルティゾーンにいる問題ドライバー
という位置づけで区別しています。
そのため、親族の等級を引き継いだ場合、
- 20~6等級:高い等級が適用される
- 6等級未満(1~5等級):低い等級が適用される
という引き継ぎルールになっているのです。
つまり、1等級の人は、親の20等級を引き継いでも、自分の方の等級が有効になって、1等級になるだけ。
引継ぎが全くの無駄になってしまうのです。
じゃあ、結局1等級から抜け出すにはどうしたらいい?
💡 1等級は、誰から何を譲り受けても解消できません。
1等級を解消して通常の保険料に戻すには、
- 心を入れ替えて、毎年1等級ずつ地道に上げていく
- 車を手放して13ヶ月以上保険に入らない期間を作り、履歴が消えるのを待ってから新規(6等級)で入り直す
この2つしかありません。
おや?
地道にがんばると5年もかかるのに、車を手放せば1年ちょっとでリセットできてしまうの?
結論から言うと、車を手放して13ヶ月間保険に入らない期間を作ることで、「裏ワザ」のように1年1ヶ月で6等級(新規スタート)に戻すことができてしまいます。
地道な人が損をする、世の中そういうものか?
モヤモヤしますね。
そもそも、なぜこの裏ワザが成立するのかと言うと、
保険会社が過去のデータを保管・共有する期間が13ヶ月だからです。
1〜5等級の「デメリット情報(ペナルティ履歴)」は、解約や満期から13ヶ月が経過すると自動的に消滅(リセット)してしまう仕組みになっています。
つまり、これを過ぎると、「ブラックリスト」から名前が消えてしまうというわけです。
そのため、13ヶ月間をレンタカーやカーシェア、電車移動で凌ぎ、データが消えた後に、新規で自動車保険に加入するというやり方が、リスクなしの賢いやり方ということになります。
※レンタカーやカーシェアは、料金に保険料が含まれており、本人が無保険でも、自動車保険の恩恵を受けられます。
毎日車に乗るような生活の人には、選択できない方法です。
しかし、週末にしか車に乗らないといったような人であれば、充分に可能な方法と言えるでしょう。
等級1の人で、これを実践している人っているの?
等級1の人は、全契約者の中で約0.1〜0.2%程度と割合的には非常に少数です。
しかし、実人数にすると、7〜14万人となるので、決して「都市伝説」のような存在ではなく、日々窓口や事故対応で日常的に接しているボリューム層となります。
倫理的にはやや不可解にも思えるものの、法的にも、保険ルール的にも問題がないので、この「等級リセット法」を実践している人は普通にいます。
妻の車に乗ればOKでは?
夫が等級1になったので、妻の車に乗れば回避できるでしょうか?
- 車を妻名義に変える
- 妻(運転免許所持)が新規で自動車保険に加入
- 運転者限定を「本人・配偶者限定(夫婦限定)」に設定
これで等級1の夫も、実質6等級で保険ありの運転ができるのでは?
👉一見、盲点を突いた完璧な対策のように思えます。
しかし、「同居の配偶者には「1等級」が必ず引き継がれる」というルールがあるので、
- 妻の保険も審査段階で必ず1等級が適用される
- 最悪の場合は、告知義務違反で契約解除・保険金不払いになる
といったペナルティを受けます。
そもそもの話、なぜ保険会社はデータを保存しておかないの?
昭和とちがって、現在はペーパーレス時代。
書類の場合は、保管しておくだけでも倉庫がいるので、その維持費もバカにならないでしょう。
今は、デジタルデータで永久に保存できるし、コストもかからないんだから、13ヶ月で消さずにずっと残しておけばペナルティ逃れなんて起きないはず。
それなのに、なぜ保険会社は、あえて13ヶ月でデータを消去(リセット)してしまうのか?
「個人情報保護法による「目的外の長期保有」の制限がある(顧客ではなくなった人の情報を永久保存できない)」と言う人もいます。
しかし、この13か月ルールが出来たのは、個人情報保護法ができた2003年よりもずっと前のお話。
したがって、こんなことを言っているのは、ただの方便に過ぎません。
実際には、昭和の紙運用の時代に、保管コストや業務のキリの良さ(1年契約+猶予1ヶ月)で決められたルールなのです。
保険業界が、時間と労力をかけてまで、わざわざシステムや規程を変えようと立ち上がらず、現在に至っただけというのが実態でしょう。
まとめ
今回は、なかなか細かいルールまでは知らない「等級」をテーマに、特に「最低等級になったらどうなるか」に着目して解説しました。
いろんなことを話しましたが、間違いなく言えるのは、
等級が下がると良いことは何もない
のです。
等級をなるべく下げないよう、安全運転を心がけるのが、最も賢いドライバーですね。
よくある質問
Q. 自動車事故の自己負担はいくらになりますか?
A. 事故内容によっては数十万円〜数百万円の自己負担が発生するケースがあります。
Q. 車両保険は必要ですか?
A. 新車や高額車の場合は必要性が高く、修理費の自己負担を抑えられます。
Q. 自分は加入すべきですか?
A. 事故時に自己負担が難しい場合は加入を検討すべきです。
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